用語解説 : ターンダウンサービスとは|内容と部屋にいるときの対応

用語解説
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結論

ターンダウンサービス(Turndown Service)とは、夕方から夜にかけてホテルのスタッフが客室に入り、ゲストがすぐに眠れるように部屋を整えるサービスです。ベッドカバーを外して掛け布団の端を折り返し、カーテンを閉め、照明を落とし、使ったタオルやごみを片付けるのが基本です。

  • 主にラグジュアリーホテルや一部の高級旅館で行われる。追加の料金はかからないのが一般的
  • 部屋にいるときにスタッフが来たら、「今は結構です」「あとでお願いします」と伝えてよい
  • 不要なら、チェックイン時に断るか、ドアに「起こさないでください(DND)」の札をかければ入らない

日本の旅館で、夕食の間に仲居さんが布団を敷いておいてくれるのと同じ考え方のサービスです。受けるかどうかはゲストが選べます。

はじめに

ホテルに泊まって夕食から戻ると、ベッドの掛け布団が斜めに折り返され、枕元にチョコレートや水が置かれていた、という経験はないでしょうか。これがターンダウンサービスです。一方で、部屋で休んでいるときにノックされて「ターンダウンに参りました」と言われ、どうすればよいか迷った人もいるかもしれません。

この記事では、ターンダウンサービスの意味と内容、時間の目安、部屋にいるときの対応、チップの要否をまとめます。後半では、ホテルの側から見たサービスの意味と、最近の変化も解説します。

ターンダウンの意味:「折り返す」から来た言葉

英語の「turn down」には「(布団やシーツの端を)折り返す」という意味があります。ベッドに入りやすいよう掛け布団の端を三角や斜めに折り返しておくことから、寝る前の部屋の準備全体をターンダウンと呼ぶようになりました。朝から昼に行う通常の客室清掃(ルームメイク)に対して、夜に行う2回目の軽い整えと考えると分かりやすいでしょう。

ターンダウンサービスの主な内容

区分内容
ベッドベッドカバーやベッドスローを外して畳む。掛け布団の端を折り返す。枕を整える
部屋の明かりと窓カーテンを閉める。メインの照明を落とし、枕元やフロアの照明だけをつける
片付けごみを回収する。使ったグラスやカップを交換する。机の上を整える
浴室使ったタオルを交換する。バスマットを敷く。洗面台の水滴を拭く
寝る前の準備スリッパやバスローブをベッドの脇に置く。ミネラルウォーターを補充する
ホテルによって翌日の天気予報カード、チョコレートなどの小さなお菓子、アロマ、BGMの用意

どこまで行うかはホテルによって違います。チョコレートなどの小さな贈り物は、ホテルらしさを表す演出として工夫されてきました。

通常の清掃・旅館の布団敷きとの違い

ターンダウンは、ほかの客室サービスと混同されやすい言葉です。違いを整理します。

サービス時間帯主な内容ねらい
ルームメイク(チェックアウト後の清掃)午前〜午後シーツ・タオルの交換、浴室とトイレの清掃、備品の補充次のゲストを迎える準備
ステイ清掃(連泊中の清掃)日中ベッドを整える、ごみの回収、タオルの交換、浴室の簡単な清掃滞在中の快適さを保つ
ターンダウン夕方〜夜掛け布団の折り返し、カーテン・照明、タオルとごみの片付けすぐに眠れる状態にする
旅館の布団敷き夕食の間〜夜座卓を片付け、布団を敷く和室を寝室に切り替える

和室は、昼間は座卓を置いた居間、夜は布団を敷いた寝室と、1つの部屋の役割を切り替えます。旅館の布団敷きは、この切り替えに欠かせない作業です。ベッドのあるホテルのターンダウンは、そこまで大きな切り替えはないものの、「昼の部屋」から「夜の部屋」へ雰囲気を変えるという点で、同じ考え方のサービスといえます。

時間の目安と頼み方・断り方

時間はホテルが決めた夕方から夜の時間帯

ターンダウンは、ゲストが夕食などで部屋を空けている時間に行うことが多く、ホテルごとに夕方から夜の時間帯を決めて回っています。具体的な時間は、ホテルの案内やフロントで確認してください。希望の時間を伝えると、合わせてくれるホテルもあります。

受けたいとき

  • チェックインのときに案内があれば、その場で希望を伝える
  • 案内がない場合は、フロントやハウスキーピングに電話で頼む。全室ではなく、希望した客室だけに行うホテルもある
  • 夕食で部屋を空ける時間を伝えておくと、その間に済ませてもらえる

不要なとき

  • チェックインのとき、またはフロントへの電話で「ターンダウンは不要です」と伝える
  • ドアに「起こさないでください(Do Not Disturb、DND)」の札をかける、または客室のボタンで表示をつける。DNDが出ている部屋には原則として入らない
編集部員
編集部員
部屋でくつろいでいるときにノックされたら、断っても失礼になりませんか?
編集長
編集長
まったく失礼じゃないよ。スタッフも慣れているから、「今は結構です」「1時間後にお願いできますか」と伝えれば十分。部屋にいる状態で入ってもらうこともできるけど、数分で終わる作業でも落ち着かないなら、外出の時間に合わせて頼むのがいちばんだね。

部屋にいるときの対応の早見表

状況伝え方の例
今は不要、あとで来てほしい「あとでお願いします。◯時ごろに来てもらえますか」
今日は不要「今日は結構です。タオルだけ交換してください」
いま入ってもらってよい「どうぞ」。貴重品はしまっておく
滞在中ずっと不要フロントに「滞在中のターンダウンは不要です」と伝える
寝ている・着替え中応答しなくてもよいが、DNDの表示をつけておくと確実

ターンダウンを気持ちよく受けるコツ

  • 私物はひとまとめにしておく:スタッフは私物をなるべく動かさないので、ベッドの上や机に広げた荷物はまとめておくと、ベッドを整えやすい
  • 貴重品は金庫へ:留守の間に入ってもらうなら、財布やパソコンは金庫やスーツケースにしまっておく
  • 好みがあれば伝える:枕を増やしたい、硬さの違う枕に替えたい、室温を下げておいてほしい、といった希望は、頼んだときに一緒に伝えると対応してもらえることがある
  • 翌朝の予定も確認する:ホテルによっては、ターンダウンのときに翌日の天気や朝食の時間の案内を置いていくことがある。モーニングコールの予約もこのタイミングで頼むとよい

チップは必要?

日本のホテルや旅館では、チップの習慣は一般的ではなく、ターンダウンでもチップを置く必要はありません。料金はサービス料や宿泊料金に含まれていると考えてよいでしょう。海外では、ベッドの脇や枕元に少額のチップを置く習慣のある国もあります。迷ったら、その国の習慣を事前に調べておくと安心です。

ホテルの側から見たターンダウン

ホテルにとってターンダウンは、ゲストが部屋に戻ったときの「おもてなしを感じる瞬間」をつくるサービスです。一方で、夕方から夜にかけて人を配置する必要があり、手間のかかるサービスでもあります。

米国の業界誌「Lodging」が2017年に紹介した、ターンダウン担当者の仕事に同行した調査では、実際にターンダウンを受け入れたゲストは平均で約11%だったとされています。同じ記事では、ある都市型の高級ホテルで、ターンダウンの費用が稼働客室1室あたり9.28ドルで、その3分の2が人件費だったという例も紹介されています。すべての客室を回っても、多くのゲストは不在だったり断ったりする、ということです。

また、2021年には米ヒルトンが、米国などの多くのホテルで毎日の客室清掃を希望制に切り替えたと報じられました(ラグジュアリーブランドは対象外)。こうした流れの中で、ターンダウンも全室に行うのではなく、希望した客室に行う形にするホテルがあります。

注意点:ホテルがターンダウンを見直すときに考えたいこと

  • やめると、ブランドの印象が変わる:ラグジュアリーホテルでは、ターンダウンが「そのホテルらしさ」の一部になっている。費用だけで判断すると、口コミや再来訪に響くことがある
  • 希望制にするなら、頼みやすくする:チェックイン時の案内、客室のタブレットやメッセージでの受付など、ゲストが気軽に頼める入口を用意する
  • プライバシーと防犯:夜に客室へ入るため、在室時の声かけ、DNDの尊重、貴重品に触れないルールを徹底する
  • 人の配置:夕方からのシフトは人を集めにくい。対象の客室を絞る、通常清掃の担当と分けるなど、無理のない配置を考える

日中の清掃のあと、客室を販売できる状態か確かめる点検については用語解説 : インスペクションとは、ホテルの客室で使うリネンやアメニティの管理は用語解説 : OS&Eとは、ベッドの配置の工夫は用語解説 : ハリウッドツインとはで解説しています。

まとめ

ターンダウンサービスは、夕方から夜にかけて、ゲストがすぐに眠れるよう客室を整えるサービスです。掛け布団の端を折り返し、カーテンを閉め、照明を落とし、タオルやごみを片付けるのが基本で、主にラグジュアリーホテルや高級旅館で行われています。

泊まる側は、受けるかどうかを自由に選べます。部屋にいるときは「あとで」「今日は結構です」と伝えればよく、日本ではチップも不要です。ホテルの側は、全室に行うか希望制にするかを、ブランドの価値と費用の両方から考えることが大切です。

関連する用語解説

ホテル業界でよく使われる略語・専門用語はホテル業界用語集で一覧にしています。

よくある質問(FAQ)

Q1. ターンダウンサービスとは何ですか?

夕方から夜にかけて、ホテルのスタッフが客室を寝る準備の整った状態に整えるサービスです。掛け布団の端を折り返す、カーテンを閉める、照明を落とす、タオルやごみを片付けるといった作業をします。

Q2. ターンダウンは英語でどういう意味ですか?

turn downには「(布団やシーツの端を)折り返す」という意味があります。ベッドに入りやすいよう掛け布団の端を折り返すことから、この名前が付きました。

Q3. ターンダウンサービスに料金はかかりますか?

行っているホテルでは、追加の料金はかからないのが一般的です。宿泊料金やサービス料に含まれていると考えてよいでしょう。

Q4. 部屋にいるときにターンダウンに来たら、どうすればよいですか?

「今は結構です」「あとでお願いします」と伝えれば大丈夫です。入ってもらう場合は、貴重品をしまっておくと安心です。

Q5. ターンダウンを断ることはできますか?

できます。チェックイン時やフロントへの電話で不要と伝えるか、ドアに「起こさないでください(DND)」の表示を出してください。

Q6. ターンダウンのときにチップは必要ですか?

日本では必要ありません。海外では、枕元などに少額のチップを置く習慣のある国もあるので、旅行先の習慣を確認してください。

Q7. ターンダウンの時間に部屋にいないといけませんか?

いる必要はありません。むしろ、夕食などで部屋を空けている間に行うのが一般的です。外出の時間を伝えておくと、その間に済ませてもらえます。

Q8. どんなホテルでターンダウンサービスがありますか?

主にラグジュアリーホテルや高級旅館で行われています。最近は全室ではなく希望した客室だけに行うホテルもあるため、気になる場合は予約時やチェックイン時に確認してください。

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