ホテルオークラJRハウステンボスが名称変更:2027年にオリエンタルホテルへ

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結論

JR九州ホテルズアンドリゾーツは2026年10月16日、長崎県佐世保市のホテルオークラJRハウステンボス(320室)を、2027年10月1日から「オリエンタルホテルJRハウステンボス」に名称変更すると発表しました。ホテルマネージメントジャパン(HMJ)とフランチャイズ契約を結び、同社のブランド「オリエンタルホテルズ&リゾーツ」に加わります。HMJにとってはこのブランドで初めてのフランチャイズ契約です。2027年9月30日までは今の名前で営業し、受け付け済みの予約はそのまま有効です。

ホテルの運営者にとって、このニュースのポイントは次の3つです。

  • 建物も運営会社もそのままで、看板と予約網だけを替える。運営は引き続きJR九州ホテルズアンドリゾーツが担う、フランチャイズ型のリブランドである
  • このホテルは1995年に開業し、2012年3月までは「ハウステンボスジェイアール全日空ホテル」、2012年4月からオークラのチェーンで営業してきた。2027年の改称で3つ目のブランドになる。ブランドは「借りている」もので、契約の節目で選び直せる
  • 発表から改称まで約1年ある。予約・会員・婚礼・流通・行政の届出を、この1年で順番に切り替えていくことになる

はじめに

ホテルオークラJRハウステンボスは、テーマパーク「ハウステンボス」に隣接し、大村湾を望むリゾートホテルです。アムステルダム中央駅を模した外観で知られ、天然温泉の大浴場「琴乃湯」やチャペルを備えています。

「オークラ」という名前は、多くの利用者にとってホテルを選ぶ理由のひとつです。その看板を下ろし、国内では別の系列のブランドに付け替えるのは、運営者にとっても大きな判断です。本記事では、JR九州ホテルズアンドリゾーツとHMJの発表資料、2012年の改称時の資料をもとに、今回のリブランドの中身を整理し、看板を掛け替えるホテルが1年間で何をすべきかを考えます。

編集部員
編集部員
名前が変わるなら、運営する会社やスタッフも入れ替わるんですか?
編集長
編集長
今回は運営会社は変わらないんだ。フランチャイズ契約だから、変わるのはブランドと、それに付いてくる予約網や会員の仕組みだね。

発表の中身

項目内容
現在の名称ホテルオークラJRハウステンボス
新しい名称オリエンタルホテルJRハウステンボス
名称変更の日2027年10月1日
運営JR九州ホテルズアンドリゾーツ(変更なし)
新しいブランドオリエンタルホテルズ&リゾーツ(ホテルマネージメントジャパン)
契約の形フランチャイズ契約(同ブランドで初)
客室320室(スタンダード・スーペリア・プレミアム)
主な施設天然温泉大浴場「琴乃湯」(露天風呂・内風呂)、レストラン、チャペル、ホール
2027年9月30日まで今の名前で営業。受け付け済みの予約はそのまま継続
2027年10月1日以降の予約詳細は決まり次第発表

発表資料には、改装工事や休館の予定は書かれていません。名称とブランドの変更が中心の発表です。

新しいブランドを持つHMJは、国内27ホテル(9,051室、2026年9月時点)を展開する運営会社で、自社ブランドの「オリエンタルホテル」「ホテル オリエンタル エクスプレス」のほか、シェラトン、ハイアット、ヒルトン、ホテル日航などのホテルも運営しています。オリエンタルホテルズ&リゾーツは国内18ホテル(4,837室)で、入会金・年会費無料の会員制度「CLUB ORIENTAL」を持っています。

1995年から数えて3つ目のブランド

このホテルが看板を掛け替えるのは初めてではありません。2012年3月のホテルオークラとジェイアール九州ハウステンボスホテルの発表によると、ホテルは1995年に開業し、2012年3月までは「ハウステンボスジェイアール全日空ホテル」の名前で営業していました。2012年4月1日に、ホテルオークラの国際ホテルチェーン「オークラ ホテルズ & リゾーツ」に加わって「ホテルオークラJRハウステンボス」となり、このときは客室を中心にリニューアルし、中国料理店とベーカリーを新たに開いています。

時期名称ブランド
〜2012年3月ハウステンボスジェイアール全日空ホテル全日空ホテルズ
2012年4月〜2027年9月ホテルオークラJRハウステンボスオークラ ホテルズ & リゾーツ
2027年10月〜オリエンタルホテルJRハウステンボスオリエンタルホテルズ&リゾーツ

一貫しているのは、JR九州のグループがこのホテルを運営し続け、その上に外部のブランドを載せる形をとってきたことです。ブランドの契約には期間や条件があり、節目が来れば、送客力、会員の規模、費用、ブランド基準を比べて選び直すことができます。なお、今回の発表資料は、オークラから切り替える理由を説明していません。

フランチャイズで掛け替えるということ

ホテルが外部のブランドを使う形は、大きく分けて次の3つです。

形運営する会社ホテル側が得るもの
運営受託(MC)ブランド会社ブランド、予約網、会員、運営のノウハウと人材
フランチャイズ(FC)ホテル側(またはホテル側が選ぶ運営会社)ブランド、予約網、会員、ブランド基準
ソフトブランドホテル側予約網と会員(館名や個性はおおむね残せる)

今回はフランチャイズなので、スタッフを雇い、日々の運営を決めるのはJR九州ホテルズアンドリゾーツのままです。JR九州ホテルズアンドリゾーツの角谷英彦社長は、この地で31年培ってきた運営の経験と新しいブランドの知見を組み合わせることに可能性があると述べています。

HMJの側から見ると、これまで自社で運営してきたブランドを、運営を伴わずに他社へ貸し出す初めての例になります。自社で人を抱えずにブランドの軒数を増やせる形で、今後同じ形の加盟が続くかは注目点です。契約の仕組みは用語解説 : HMA(ホテルマネジメント契約)、加盟時に求められる改修の計画は用語解説 : PIP(プロパティ・インプルーブメント・プラン)で解説しています。リブランドの型と他の事例は用語解説 : リブランドとはにまとめました。

鉄道会社のホテルで続く「看板の掛け替え」

鉄道会社の系列ホテルが、建物と運営を自社に残したまま外部のブランドに切り替える例は、2026年に相次いでいます。

旧名称新名称時期
ホテルアソシア高山リゾートヒルトン高山リゾート2026年9月14日開業
ホテルアソシア新横浜コートヤード・バイ・マリオット新横浜駅2026年12月予定
ホテルオークラJRハウステンボスオリエンタルホテルJRハウステンボス2027年10月1日

JR東海グループの2軒は、ジェイアール東海ホテルズが運営してきたホテルを外資のブランドに切り替えるものです。ヒルトン高山リゾートは引き続きジェイアール東海ホテルズが運営し、改装を進めながら一部の客室で開業して、2027年春に全283室をそろえる計画です。コートヤード・バイ・マリオット新横浜駅は、設計・施工の調整に時間がかかったとして開業を2026年8月から12月に延ばし、7月中旬から12月まで全館を休業する計画としています。

これに対し、JR九州は国内の運営会社のブランドを選び、休館を伴わない形で切り替えます。同じ「看板の掛け替え」でも、改装の規模や休館の有無によって、運営者の負担は大きく変わります。2027年に開業・改称するホテルの運営方式は2027年の新規開業ホテル一覧にもまとめています。

ブランドを選び直すときに比べること

運営を自社に残してブランドだけを借りるホテルにとって、ブランドの契約は「送客と信用を買う契約」です。契約の更新や切り替えを考えるときは、次の項目を今のブランドと候補のブランドで並べて比べると、判断の材料がそろいます。

比べる項目確かめる中身
送客の実績ブランドの予約網・会員経由の予約が、客室売上の何割を占めているか
費用加盟料、ロイヤルティ、マーケティング分担金、予約システムの手数料の合計が売上の何%か
改修の要求加盟時・更新時に求められる改修(PIP)の範囲と金額
契約の期間と出口契約年数、更新の条件、途中で解約するときの違約金
運営の自由度料金設定、販売チャネル、料飲・婚礼のメニューをどこまで自館で決められるか

とくに、旧ブランドの会員だった常連客がどれだけ残るかは、契約書には表れません。会員経由の予約の割合と、その客層の単価・リピート率を事前に把握しておくと、切り替え後の売上の落ち込みを見積もりやすくなります。

編集部員
編集部員
1年もあれば余裕がありそうですけど、現場は何から手を付ければいいんでしょう?
編集長
編集長
婚礼や団体の予約は1年以上先まで入っているからね。「改称日をまたぐ予約」を持っているお客様への説明が、いちばん先にやるべきことだよ。

名称変更までの1年で運営者がすること

ここからは、ホテルオークラJRハウステンボスに限らず、看板を掛け替えるホテルが改称日までに片付けておきたいことを、部門別に整理します。

1. 改称日をまたぐ予約への説明

  • 受け付け済みの予約が有効であることと、宿泊日には名前が変わっていることを、確認メールや予約サイトで案内する
  • 婚礼は、招待状に書く会場名が変わる。挙式日が改称日より後のカップルには、早めに新しい名称を伝える
  • 法人の宴会・会議や団体旅行は、見積書・契約書の名称と、請求書の名義の切り替え時期を決めておく

2. 会員と常連客

旅行メディアのTRAICYは、会員プログラム「One Harmony」(オークラ ニッコー ホテルズの会員制度)の特典の対象が、2027年9月30日までの宿泊・利用になると伝えています。旧ブランドの会員として通っていた常連客が、改称後も来てくれるかどうかが、リブランドの成否を左右します。新しい会員制度への案内、旧ブランドの会員への特典の用意などを、改称前から始めておきたいところです。

3. 予約・流通の名称

  • OTA(オンライン旅行会社)、旅行会社のパッケージ商品、自社サイトの表記を同じ日に切り替える
  • OTAの施設ページは、新しく作り直すのではなく名称を変更してもらい、口コミの評価を引き継ぐ
  • Googleビジネスプロフィールや地図アプリ、駅・道路の案内看板、送迎バスの表示も、改称日に合わせて手配する

4. 行政への届出

旅館業の営業者は、許可申請書に書いた施設の名称が変わったら、10日以内に都道府県知事(保健所設置市は市長)に届け出る必要があります(旅館業法施行規則第4条・第1条)。国際観光ホテル整備法の登録ホテルであれば、名称の変更から30日以内に登録実施機関への届出も要ります(同法第7条)。

5. 館内とスタッフ

  • 館内サイン、客室の備品、食器、制服、名刺、印刷物のロゴを洗い出し、在庫の使い切りと発注の時期を合わせる
  • 新しいブランドの基準とサービスの決まりを研修し、電話応対の名乗りや館内放送の文言も改称日から変える
  • 旧ブランドで提供していたメニューやサービスのうち、何を残し、何をやめるかを決めて、常連客に説明できるようにする

周辺のホテルにとっての意味

ブランドが変わると、会員制度や予約網を通じて来る客層が入れ替わる可能性があります。ハウステンボス周辺や佐世保・長崎で競合するホテルは、2027年秋の前後で、このホテルの料金や販売チャネルの動きを追っておくとよいでしょう。逆に、自館が看板の掛け替えを検討しているなら、今回のように「運営は自社に残し、ブランドだけ替える」選択肢があることは参考になります。契約満了をきっかけにホテルが入れ替わる例は閉館・営業終了するホテル一覧でも取り上げました。

まとめ

  • ホテルオークラJRハウステンボスは2027年10月1日から「オリエンタルホテルJRハウステンボス」になる。HMJとのフランチャイズ契約で、運営はJR九州ホテルズアンドリゾーツのまま
  • 2027年9月30日までは今の名前で営業し、受け付け済みの予約はそのまま有効。10月以降の予約の詳細は今後発表される
  • 2012年3月までの全日空ホテル、2012年4月からのオークラに続き、3つ目のブランドになる。運営を自社に残してブランドを借りる形をとってきた
  • 鉄道会社の系列ホテルでは、JR東海のヒルトン高山リゾートやコートヤード・バイ・マリオット新横浜駅など、看板の掛け替えが続いている
  • 改称までの1年では、改称日をまたぐ予約と婚礼、会員、流通の名称、行政の届出、館内の切り替えを順に進める

ブランドの契約を見直す時期が近いホテルは、まず今の契約の期間と解約の条件、ブランドから受けている送客の実績を数字で確かめるところから始めてみてください。

よくある質問(FAQ)

Q1. ホテルオークラJRハウステンボスの名前はいつ変わりますか?

2027年10月1日に「オリエンタルホテルJRハウステンボス」になります。2027年9月30日までは「ホテルオークラJRハウステンボス」として営業します。

Q2. すでに予約している宿泊はどうなりますか?

発表資料では、受け付け済みの予約はそのまま継続するとしています。2027年10月1日以降の宿泊予約の詳細は、決まり次第発表される予定です。

Q3. 運営会社やスタッフは変わりますか?

運営会社は変わりません。ホテルマネージメントジャパンとのフランチャイズ契約なので、引き続きJR九州ホテルズアンドリゾーツが運営します。

Q4. 温泉やチャペルは改称後も使えますか?

発表資料では、天然温泉大浴場「琴乃湯」、レストラン、チャペルやホールを備えるホテルとして紹介されており、施設をなくす予定は示されていません。改装の有無も書かれていないため、詳細は今後の発表を確認してください。

Q5. オリエンタルホテルとはどんなブランドですか?

ホテルマネージメントジャパンが展開する「オリエンタルホテルズ&リゾーツ」のブランドで、国内18ホテル(4,837室)があります。会員制度「CLUB ORIENTAL」は入会金・年会費が無料です。

Q6. なぜオークラからオリエンタルホテルに変えるのですか?

発表資料には、切り替える理由は書かれていません。JR九州ホテルズアンドリゾーツの社長は、31年の運営経験と新しいブランドの知見を組み合わせることに可能性があるとコメントしています。

※注1:フランチャイズ(FC)…ブランド会社からブランド名、予約網、会員制度、運営基準を借り、運営はホテル側が行う契約。ホテル側はブランド会社に加盟料やロイヤルティを支払う。

※注2:OTA…Online Travel Agentの略。インターネット上で宿泊予約を受け付ける旅行会社。

出典:JR九州ホテルズアンドリゾーツ・ホテルマネージメントジャパン「2027年10月1日に「オリエンタルホテルJRハウステンボス」として開業します」(2026年10月16日)、TRAICY「ホテルオークラJRハウステンボス、オリエンタルホテルにリブランド」(2026年10月16日)、ホテルオークラ・ジェイアール九州ハウステンボスホテル「ホテルオークラJRハウステンボス リブランドオープン」(2012年3月26日)、株式会社ホテルオークラ 有価証券報告書(第82期)、東海旅客鉄道ほか「コートヤード・バイ・マリオット新横浜駅 開業時期等の変更について」(2026年2月5日)、ジェイアール東海ホテルズ「ヒルトン高山リゾート」開業に関する発表、旅館業法施行規則・国際観光ホテル整備法(e-Gov法令検索)

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