結論
JARCゼミナールは、一般社団法人 宿泊施設関連協会(JARC)が開く、宿泊業向けのオンライン中心のセミナーです。公式サイトでは2026年10月19日から12月21日までに10回(通常7回、特別版3回)の開催が案内されており、会員以外も参加できます。
10回の内訳は、マーケティングが8回、DXが2回です。テーマは補助金、採用、コスト上昇、SNS、AI、施設管理、関係人口採用、新サービス紹介と幅広く、現場の担当者が「自館の悩みに近い回だけ」選んで聴けるつくりになっています。
確認できた回では参加費は無料で、開催の約1週間後にアーカイブ動画が公開される回もあります。ただし、料金や申込条件は回ごとに異なるため、申し込む前に各回の案内ページで確かめることが前提です。本記事では、公式サイトに載っている情報だけをもとに、全体像と選び方を整理します。
はじめに
ホテルや旅館の現場では、補助金、採用、コスト高、AI活用と、毎月のように新しい論点が出てきます。しかし、専門のセミナーに通う時間も予算も限られているのが実情です。
そこで知っておくと便利なのが、宿泊施設に関わる企業が集まる団体が開くJARCゼミナールです。2026年10月5日の時点で第176回まで回を重ねている、継続型の勉強会です。
JARCとJARCゼミナールの基本情報
主催は「宿泊施設関連協会」
JARCは一般社団法人 宿泊施設関連協会の略称です。所在地は東京都千代田区平河町(全国旅館会館内)。公式サイトでは、宿泊施設に携わる企業・団体・個人が集まり、学び、課題を解決する交流の場をつくることを目的に掲げています。会員区分は「法人会員」「宿泊施設会員」「個人会員」の3つです。
なお、自動車リサイクル分野にも同じ略称「JARC」を使う別の団体(公益財団法人 自動車リサイクル促進センター)があります。本記事で扱うのは宿泊業向けのJARCです。
ゼミナールのしくみ
公式サイトのゼミナール一覧では、各回の「回数・形式(オンライン/オフライン)・タイトル・開催日時・講師」が公開され、カテゴリは次のように分かれています。
- マーケティング
- DX
- SDGs
- ポストコロナ対策
- 人材
- カルチャー
- その他
確認できた第165回(2026年7月9日)の案内では、次の条件でした。
| 項目 | 第165回の例 |
|---|---|
| 形式 | オンライン(参加用URLは申込者へ別途案内) |
| 時間 | 17:00〜18:00(開場は開始10分前) |
| 参加費 | 無料 |
| 定員 | オンライン100名 |
| 申込期限 | 開催当日14:00まで |
| キャンセル | 開催2日前までに連絡 |
| アーカイブ | 開催の1週間後に動画を公開 |
| 資料 | 共有は当日参加した人のみが対象 |
申込期限は回によって違い(当日14:00の回もあれば、当日11:00の回もあります)、定員やアーカイブの有無も回ごとに案内されています。回の条件は必ず個別ページで確認してください。2026年秋の各回の参加費は、一覧ページには記載がありませんでした。
2026年秋の開催予定:全10回
2026年10月10日時点で、公式サイトに載っている今後の開催は次の10回です(第183回は一覧に掲載がありません)。
| 回 | 日時 | 分類 | テーマ | 形式 |
|---|---|---|---|---|
| 第177回 | 10/19(月)14:00〜15:00 | マーケティング | 2027年、観光業はこの補助金を狙え! | オンライン |
| 第178回 | 10/22(木)16:00〜17:00 | マーケティング | 優秀な人材が集まり続けるホテルのつくり方 | オンライン・オフライン |
| 第179回 | 11/9(月)17:00〜18:00 | マーケティング | 宿泊業のコスト上昇にどう向き合うか | オンライン |
| 第180回 | 11/12(木)17:00〜18:00 | マーケティング | 観光業の売上・採用を加速させる最新SNS活用術 | オンライン |
| 第181回 | 11/26(木)17:00〜18:00 | マーケティング | 第11回「宿泊施設の課題解決に関わる商品紹介」 | オンライン・オフライン |
| 特別版 | 12/2(水)13:45〜14:30 | DX | アンソロピックの衝撃〜激動のAI時代の始まり | 未記載 |
| 特別版 | 12/3(木)13:45〜14:30 | DX | 施設管理をスマホで行いAI分析へ繋げる | 未記載 |
| 特別版 | 12/4(金)13:45〜14:30 | マーケティング | 「補助金でホテルは変わる!」宿泊業の未来を拓く実践セミナー | 未記載 |
| 第182回 | 12/7(月)15:00〜16:00 | マーケティング | 関係人口採用が観光業界における人手不足の勝敗をわける | オンライン |
| 第184回 | 12/21(月)17:00〜18:00 | マーケティング | 第12回「宿泊施設の課題解決に関わる商品紹介」 | オンライン・オフライン |
特別版の3回は、12月2日〜4日に開かれる「ホスピタリティテックEXPO」の会期と重なっています。また、10月22日にはEXPOに先立つ「プレカンファレンス&ネットワーキング」も案内されています。
テーマ別に見る:自館の悩みに合う回はどれか
10回を悩み別に並べ直すと、次のようになります。
| いまの悩み | 該当しそうな回 |
|---|---|
| 設備投資の資金を確保したい | 第177回(補助金)、特別版12/4(補助金) |
| 人が採れない・定着しない | 第178回(人材が集まるホテル)、第180回(SNSで採用)、第182回(関係人口採用) |
| コストが上がり続けている | 第179回(コスト上昇への向き合い方) |
| AIやDXの動向を知りたい | 特別版12/2(AI)、特別版12/3(施設管理×AI分析) |
| 新しいサービス・ツールを探したい | 第181回・第184回(商品紹介) |
採用に関する回が3回あるのは目を引きます。人手不足が経営課題として最優先の位置にある、という現場の関心を映していると考えられます。
「商品紹介」の回は、ツール選定の入口になる
第181回と第184回は、複数の企業が自社サービスを紹介する形式です。直近の第175回(2026年10月2日掲載の報告)では、NTTドコモビジネス、ダン・サイエンス、NutmegLabs Japan、プロフィックス、リョービの5社から5名が登壇しました。
特定の1社の営業トークを聴くのではなく、1時間で複数社の考え方を見比べられるのが、この形式の利点です。ただし、紹介されるのは登壇企業が自社で扱う商品なので、各社の宣伝を兼ねている点は頭に入れておきましょう。
直近の開催実績:どんな内容が扱われてきたか
公式サイトの開催報告から、直近の3回を見ておきます。
| 回 | 報告の掲載日 | テーマ | 講師 |
|---|---|---|---|
| 第174回 | 2026年9月28日 | 宿泊施設の不動産商品化が地方の宿泊産業を壊す | 株式会社micado 代表取締役 田代 貴彦 氏 |
| 第175回 | 2026年10月2日 | 宿泊施設の課題解決に関わる商品紹介 | NTTドコモビジネス、ダン・サイエンス、NutmegLabs Japan、プロフィックス、リョービの5名 |
| 第176回 | 2026年10月5日 | CSスコアがRevPARを変える:AIを活用した客室清掃改革のすゝめ | 株式会社EDEYANS 執行役員 大月 北斗 氏 |
これ以前にも、第172回ではインバウンド時代の宿泊と飲食の連携、第173回では直予約の最大化戦略が扱われています。不動産、清掃、直販、飲食連携と、経営・運営・営業の全般に話題が散らばっているのがゼミナールの特徴です。
なお、開催報告のページには、講演の要点や参加者数までは載っていません。内容を知りたい場合は、アーカイブ動画の有無を各回の案内で確認することになります。
活用のコツ:学びを現場に持ち帰る3つの手順
- 参加前に「聴きたい問い」を1つ決める。「採用が難しい」ではなく「求人媒体以外で応募を増やす方法は?」のように、具体的な問いにしておくと、聴く姿勢が定まります。
- 当日は資料の入手条件を確認する。第165回のように、資料の共有が「当日参加した人のみ」の回があります。アーカイブがあっても、資料は別扱いになる場合があるので、聴講に集中しつつ要点はメモしておきます。
- 聴いた翌営業日に、1つだけ試す。全部を取り入れようとせず、現場で1週間以内に試せる行動を1つ決めます。たとえば、SNS回なら投稿を1本出す、コスト回なら仕入れ先の見積もりを1件取り直す、といった具合です。
AIやDXの動向を体系的に押さえたい場合は、当サイトのホテルAIプラットフォームの導入記事、生成AI時代の集客を扱ったGEO戦略の記事、人手不足とDXを扱った総務人事のDX×人間回帰の記事も、セミナーの予習・復習に使えます。
デメリット・リスク:参加前に知っておきたいこと
- 無料の裏にある意図を読む。主催は会員制の協会です。参加費が無料でも、サービス紹介や協会への入会案内が付随する可能性があります。
- 定員とタイミング。第165回の定員はオンライン100名で、申込期限は当日の午前〜午後に設定されています。直前に気づくと間に合わないことがあります。
- 情報の鮮度。特別版3回の形式は「未記載」で、日程や内容が変わる可能性があります。協会は変更を公式サイト、Facebook、会員向けメールマガジンで案内するとしています。
- 撮影の可能性。第165回の案内では、写真・動画が撮影され、協会の会報誌やサイトなどに掲載される場合があると明記されています。顔出しの参加は、この点に留意してください。
- 講演内容の裏取り。補助金のように制度が頻繁に変わる話題は、講演で聴いた内容を、必ず所管の公募要領で確認してから動きます。
まとめ
- JARCゼミナールは、宿泊施設関連協会が開く宿泊業向けのセミナーで、会員以外も参加できる。
- 2026年10月19日〜12月21日に10回(通常7回+特別版3回)の開催が案内されている。
- 分類はマーケティング8回、DX2回。補助金・採用・コスト・AI・商品紹介と、現場の悩みに直結するテーマが並ぶ。
- 確認できた回は無料・オンラインで、定員や申込期限、アーカイブの有無は回ごとに異なる。
- まずは期限のある補助金の回(10月19日)と、自館のいちばん大きな悩みに近い1回から選ぶのが現実的。
全部に出るより、1回に出て翌日に1つ試すほうが、現場には効きます。公式サイトで日程を開き、カレンダーに1件だけ入れるところから始めてみてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. JARCゼミナールは宿泊施設の関係者以外も参加できますか?
公式サイトには、会員以外も参加できると記載されています。ただし、各回の対象者や申込条件は個別の案内ページで確認してください。
Q2. 参加費はいくらですか?
確認できた第165回は無料でした。2026年秋の各回については、一覧ページに料金の記載がありません。申込ページでご確認ください。
Q3. 当日に参加できなくても内容を見られますか?
第165回の案内では、開催の1週間後にアーカイブ動画が公開されるとされています。一覧にも「アーカイブ動画あり」の表示が付く回があります。ただし、全ての回で提供されるとは限りません。
Q4. 資料はもらえますか?
第165回の案内では、資料の共有は当日参加した人のみが対象でした。回によって扱いが異なる可能性があるため、申込時に確認してください。
Q5. オンラインとオフラインの違いは何ですか?
第178回、第181回、第184回は「オンライン・オフライン」の併用と案内されています。オフラインの会場や定員は、各回の案内ページを参照してください。
Q6. 申し込みの期限はいつですか?
回によって異なります。確認できた回では、開催当日の11:00または14:00までとされていました。ただし、キャンセルは開催2日前までに連絡するという条件がある回もあるため、早めの申込が安心です。
Q7. まず1回だけ選ぶなら、どれがおすすめですか?
設備投資を考えているなら、公募期間という期限がある補助金の回(第177回、10月19日)が優先度の高い選択肢です。人材や集客が課題なら、第178回や第180回が候補になります。
Q8. JARCに入会しないと不利ですか?
会員以外も参加できると案内されていますが、公式サイトでは、会員限定の特典があるイベント(ホスピタリティテックEXPOの来場登録など)も告知されています。入会の条件や会費は、協会の入会案内ページで確認してください。
※注1:RevPAR…販売可能な客室1室あたりの宿泊売上。客室稼働率と平均客室単価を掛け合わせて求める。
※注2:関係人口…観光で訪れる「交流人口」と、移住した「定住人口」の中間にあたる、特定の地域に継続的に関わる人々のこと。
出典:一般社団法人 宿泊施設関連協会(JARC)公式サイト「ゼミナール」一覧および各回の案内・開催報告(2026年10月10日確認)


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