結論
熱海のホテルニューアカオは2026年7月17日、昭和期の大宴会場「錦松・羽衣の間」を約260㎡の全天候型キッズパークに改装し、同じ12階に子連れ向けの「キッズルーム」22室を新設した。これは単なる子ども向け設備の追加ではない。団体旅行の衰退で使われなくなった「大箱ホテルの宴会場」を、家族の滞在時間を館内で埋める装置に作り替えた事例として読むべきだ。
この事例から引き出せる知見は3つある。①遊休化した大空間は、客室を増やすより「その館を選ぶ理由」に変えたほうが既存客室全体の価値を押し上げやすい。②遊び場の営業時間をチェックイン後とチェックアウト前に合わせ、雨の日でも館内で1日が完結する設計にすると、立地の天候リスクと館外への消費流出を同時に抑えられる。③スタッフに声をかけるとカードがもらえる企画のように、顧客側から接点を生む仕組みは、人手が限られる中でも「印象に残る接客」を再現できる。一方で、子連れに寄せるほど静けさを求める客との衝突や、休日・長期休暇への需要集中というリスクも抱えることになる。
はじめに
ロケットニュース24は2026年9月14日、ホテルニューアカオの新しいキッズフロアに子ども2人と泊まった宿泊体験記事を掲載した。なお、この滞在はホテル側の試泊招待によるものと記事中で明記されている。
記事の見どころは、のんびり過ごすはずだった筆者が館内で遊ぶのに忙しくなり、熱海の街をほとんど観光しないままホテルの中だけで滞在を終えた点にある。人見知りの長女がカード集めをきっかけに自分からスタッフへ話しかけるようになった、というエピソードも紹介されている。
一見すると微笑ましい家族旅行の記録だが、運営者の目で読むと、昭和に建てられた大型リゾートホテルが抱える「広すぎる共用部」「団体客向けの間取り」「古い内装」という弱みを、ひとつずつ強みに変換していく過程が見えてくる。本記事では、体験記事と運営会社のリリース、改修の経緯を突き合わせて、全国の老舗旅館・大型ホテルが自館に持ち帰れる考え方を整理する。
ホテルニューアカオでは何が起きているのか?
まず経緯を押さえておく。ホテルニューアカオは1973年に開業し、断崖から海へせり出すように建つ姿で「熱海の顔」と呼ばれてきた。しかし、テレビ東京の「ガイアの夜明け」によれば、団体旅行から個人旅行への需要変化、2018年の台風被害、コロナ禍が重なり、100億円を超える負債を抱えて2021年11月に閉館した。
その後、施設は米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループに譲渡され、アイコニア・ホスピタリティ(旧マイステイズ・ホテル・マネジメント)が運営を引き継いだ。注目すべきは、屋号と昭和の意匠を残したまま再開した点だ。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 1973年 | ホテルニューアカオ開業 |
| 2021年11月 | 老朽化・需要変化・コロナ禍などで閉館 |
| 2022年12月 | アイコニア・ホスピタリティの運営で「ホライゾン・ウイング」を先行開業 |
| 2023年7月 | 「オーシャン・ウイング」をグランドオープン |
| 2025年7月 | エレベーター増設(輸送人数が従来の約1.5倍に) |
| 2026年4月〜 | オーシャン・ウイング全250室の順次改装を開始 |
| 2026年7月17日 | 12階を「キッズフロア」に改装(キッズパーク+キッズルーム22室) |
| 2027年春(予定) | 1973〜2018年に使われていた大浴場を復活 |
※出典:テレビ東京「ガイアの夜明け」、トラベル Watch、アイコニア・ホスピタリティ公式サイト、ホテルニューアカオ公式サイト・プレスリリースをもとに編集部作成。
運営会社の改修記事によると、再開後はSNSで話題になり、昭和レトロな雰囲気を新鮮に感じる若い世代を中心に客足が伸びた。その結果、エレベーターの混雑がクチコミで指摘されるほどになり、2025年7月の増設で解消したという。つまり今回のキッズフロアは、再開直後の「若年層の話題性」に続く、2本目の集客の柱として位置づけられている。
なぜ宴会場を客室ではなく遊び場にしたのか?
団体旅行時代の宴会場は、今は「稼がない床面積」になっている
昭和の大型温泉ホテルは、社員旅行や団体ツアーの宴会を前提に設計されている。数百人規模の宴会場は当時の稼ぎ頭だったが、個人・家族旅行が中心になった現在は、使われない日のほうが多い。それでも照明や空調の設備、清掃、固定資産税は床面積に応じてかかり続ける。多くの老舗旅館にとって、宴会場は「持っているだけでコストが出ていく空間」になっている。
転用の選択肢を比べると、キッズパークの合理性が見える
遊休化した宴会場の使い道として、一般的には次のような選択肢が考えられる。
| 転用先 | 増える売上 | 工事の重さ | 運営の負荷 | 既存客室への波及 |
|---|---|---|---|---|
| 客室に改装 | 増えた室数分の宿泊売上 | 重い(給排水・浴室・防火区画の工事が必要) | 清掃・備品が室数分増える | 小さい |
| 会議・宴会場として再営業 | 貸し会場料・料飲売上 | 軽い | 営業担当とサービス人員が必要 | 平日の法人需要が取れる立地なら大きい |
| キッズパーク(今回) | 利用料・宿泊単価の底上げ | 中程度(内装・遊具・安全対策が中心) | 見守りと清掃が中心 | 大きい(館全体が「子連れで選ばれる宿」になる) |
※工事・運営負荷の評価は一般的な傾向を編集部で整理したもの。
約260㎡という広さは、同フロアに新設した「キッズルームトリプル」(28〜31㎡)に換算すると8〜9室分にあたる。客室にすれば数室分の売上は増えるが、水回りを新たに引く工事が必要になり、1室あたりの投資は大きい。さらに、356室(改装完了後の予定室数)のうち数室を足しても、館全体の集客力はほとんど変わらない。
これに対してキッズパークは、既存の客室すべてに「子連れで泊まる理由」を上乗せする。改装前に大人向けだった客室も、キッズパークがあることで家族客に売れる商品になる。床面積を「売る場所」ではなく「選ばれる理由」として使う発想であり、ここがこの事例の核心だ。
「同じフロアにまとめる」ことが運営上の効き目を持つ
もう一つ見逃せないのが、キッズパークと子連れ向け客室を12階にまとめた点である。キッズルームは次の4タイプ22室で構成されている。
| タイプ | 室数 | 広さ | 定員 |
|---|---|---|---|
| キッズルームプレミア | 6室 | 52〜65㎡ | 7名(ホームシアター付き) |
| キッズルームトリプル | 8室 | 28〜31㎡ | 3名 |
| キッズルームツイン | 4室 | 22〜25㎡ | 2名 |
| キッズルーム和室 | 4室 | 36㎡(10畳) | 5名 |
※出典:ホテルニューアカオ プレスリリース(2026年)
子どもの足音や声は、同じ階の大人客にとってはクレームの原因になる。子連れ客を1フロアに集めるゾーニング(※注1)は、他の宿泊客とのトラブルを減らすと同時に、子連れ客自身の「迷惑をかけていないか」という気疲れも減らす。体験記事の筆者が遊び場と客室を行き来しながら過ごせたのも、この動線があってこそだ。見守りや清掃の人員を1フロアに集中できるため、スタッフの動きも効率化しやすい。
「館内だけで1日が終わる」設計は何をもたらすのか?
営業時間が滞在の「両端」をぴったり埋めている
キッズパークの利用時間は14時〜20時と9時〜12時で、利用料は1人500円(税込、翌日12時まで何度でも利用可)と発表されている。この時間帯は、チェックインしてから夕食までと、朝食後からチェックアウトまでという、家族旅行で最も時間を持て余しやすい2つの隙間に重なる。
体験記事でも、夕方のチェックイン後にキッズパークへ行き、夕食と温泉を挟んで、翌朝も正午のチェックアウト直前まで遊ぶ流れで滞在が組まれていた。子どもが遊んでいる間に親は一息つけるので、「子連れだと結局休めない」という家族旅行の不満に直接応えている。
天候リスクを消せるのは、海のリゾートほど大きい
海が見えることが最大の魅力のリゾートは、雨が降ると滞在価値が一気に下がる。子連れ客は特に、雨天でやることがなくなるのを嫌って予約を控えたり、次の旅行先を変えたりしやすい。全天候型の遊び場は、雨の日の満足度の底を持ち上げる保険として機能する。リリースが「雨でも思い切り体を動かせる」ことを前面に出しているのも、この不安を予約前に取り除く狙いと読める。
館内で完結するほど、館内消費と満足度は上がる
熱海駅からは無料送迎バスで約10分と、車がない家族でも到着しやすい。着いてしまえば、ビュッフェ、温浴施設、キッズパーク、そして昭和の館内散策で1泊が埋まる。筆者も、館内を見て回るだけで時間が足りなくなったと振り返っている。
運営側から見ると、館外に出る時間が減るほど、飲食や物販の消費がホテル内に落ちる。3名1室の記念プランは大人1名18,600円〜(1泊2食付き)と発表されており、2食込みの価格で滞在全体を囲い込む設計だ。一方で、この「館内完結」は後述するように地域との関係ではリスクにもなる。
昭和レトロはなぜ3世代に同時に効くのか?
キッズパークには、立体遊具やデジタルコンテンツと並んで、輪投げやブラウン管テレビ、ラジカセ、黒電話を置いた「昭和エリア」がある。子ども向けの遊び場に、あえて昭和の生活道具を置いている点に、この館の戦略がよく表れている。
| 世代 | 昭和レトロの受け止め方 | ホテルにとっての意味 |
|---|---|---|
| 祖父母世代 | かつての新婚旅行・社員旅行の記憶と重なる「懐かしさ」 | 旅行費用を出す側になりやすく、3世代旅行の決め手になる |
| 親世代 | 子どもの頃に見た道具を子どもに説明できる | 家族の会話が生まれ、思い出として残りやすい |
| 子ども・若い世代 | 見たことのない「新しいもの」として楽しめる | 写真を撮りたくなり、SNSでの拡散につながる |
同じ内装が、世代によってまったく違う理由で価値を持つ。体験記事の筆者も、昭和の豪華さを「単に古びているのとは少し違う」と評し、レトロな模様を夢中で撮影していた。子どもがシャンデリアのある家に住みたがったというエピソードは、大人が懐かしむ空間が、子どもにはまっさらな非日常として映っていることを示している。
ここで大事なのは、古い内装を「直すべき老朽化」ではなく「残すべき資産」として扱う判断だ。運営会社の改修記事によれば、屋号の維持は社内で直談判してまで守ったもので、旧フロントの銀色の波型パネルや空調口の金色の枠も、新しいカウンターに移して使い続けている。全面的に新しくすれば、どこにでもあるリゾートホテルになり、価格競争に巻き込まれる。残すものを選び抜くことが、差別化の源泉になっている。
定員7名の「キッズルームプレミア」を6室用意したのも、この3世代需要に照準を合わせたものと考えられる。1予約あたりの人数が増えれば、2食付きプランの売上は人数分積み上がる。シニアを含む3世代旅行を高単価につなげる考え方は、シニア三世代の「コト消費」を掴む高単価プランでも詳しく扱っている。
カード集めの企画は、なぜ接客の仕組みとして優れているのか?
体験記事で最も示唆に富むのは、カード集めの企画だ。ホテルで働く人や仕事にちなんだキャラクター(「アジ課長」など)が描かれたカードを、スタッフに声をかけてもらい、必要な枚数を集めるとフロントで特典と交換できる。人見知りの長女は最初こそ緊張していたが、気づけば自分からスタッフを探して声をかけていたという。
接点のきっかけを「客側」に渡している
一般的なホテルのファミリー向けサービスは、スタッフが子どもに声をかけたり、ウェルカムギフトを渡したりと、ホテル側から働きかけるものが多い。これはスタッフ個人の気配りやその日の忙しさに左右され、品質がばらつく。
カード企画は逆に、子どもがスタッフを探して声をかける。スタッフに求められるのは、声をかけられたら笑顔でカードを渡すことだけで、特別な接客スキルも、話しかけるタイミングを見計らう余裕もいらない。それでも子どもにとっては「ホテルの人と何度も話した」体験になり、親から見れば「スタッフがよく子どもに関わってくれた」という評価になる。人手不足の中で、接客の印象を個人技ではなく仕組みで作る方法として、規模を問わず応用しやすい。
「ホテルの仕事」をキャラクターにする意味
キャラクターがホテルの仕事にちなんでいる点も見逃せない。子どもは遊びながら、フロントや調理、清掃といった裏方の存在に気づく。スタッフにとっても、自分の職種がキャラクターになって子どもに探されるのは、仕事への誇りにつながりうる。ゲーミフィケーション(※注2)を顧客満足だけでなく、従業員のモチベーションにも効かせる設計といえる。季節イベントや館内企画を一過性で終わらせず定番化する考え方は、ホテル季節イベントを定番アセット化する方法も参考になる。
空間そのものに演出を任せる
同じ発想は食事にも見える。メインダイニング「錦」は、大階段ときらびやかな照明、段々になった客席を持つ大空間で、ビュッフェ形式で提供している。筆者は、料理の中身と同じくらい、食べる場所の空間が満足度を左右すると述べている。
ビュッフェは配膳の人手を抑えられる提供方式だが、ともすると「安っぽい」印象になりやすい。宴会場時代の華やかな空間がその弱点を補い、料理の原価や人手を大きく増やさずに体験価値を上げている。建物が持つ演出力を、人手の代わりに働かせるという点で、カード企画と共通する考え方だ。
自館に応用するためのチェックリスト
ホテルニューアカオほどの規模や資本がなくても、考え方は応用できる。次の項目で自館の状況を確認してほしい。
- 稼働率が低い宴会場・広間・会議室の年間利用日数を把握しているか(Yes/No)
- その空間を「売る場所」ではなく「選ばれる理由」に変えた場合の効果を検討したことがあるか(Yes/No)
- チェックイン後・チェックアウト前に、客が時間を持て余していないか確認しているか(Yes/No)
- 雨の日の過ごし方を、予約前の客に具体的に示せているか(Yes/No)
- 子連れ客や団体客など、音の出やすい客層を特定のフロアやエリアにまとめているか(Yes/No)
- 古い内装・設備のうち「残す価値のあるもの」を棚卸ししたことがあるか(Yes/No)
- スタッフの気配りに頼らず、客側から接点が生まれる仕掛けを持っているか(Yes/No)
Noが3つ以上ある場合は、大規模な改装より先に、既存空間の使い方と滞在中の「隙間時間」の設計から見直す余地がある。
デメリット・リスク
第一に、客層の衝突である。昭和レトロに惹かれて来る若いカップルや、静かな温泉滞在を求めるシニアにとって、子どもの多い館内は満足度を下げる要因になりうる。フロアのゾーニングで客室階は分けられても、ビュッフェ会場や大浴場、エレベーターは共用だ。家族客が増えるほど、時間帯による利用の分散などの運用が必要になる。
第二に、需要の偏りだ。子連れ客の旅行は土日祝日や夏休みなどの長期休暇に集中し、平日は動きにくい。キッズフロアに投資しても、平日の稼働が伸びなければ年間の売上効果は限定的になる。平日は別の客層に売れるよう、キッズルームの販売方法を曜日で切り替えるといった工夫が求められる。
第三に、安全管理と清掃の負荷である。遊具での事故は施設の責任問題に直結し、見守り体制や点検、保険の手当てが欠かせない。子ども向け客室は汚損・破損のリスクも高く、高単価コンセプトルームの落とし穴で整理したような清掃・物損対策をあらかじめ組み込む必要がある。
第四に、館内完結型と地域との関係だ。宿泊客が館外に出なければ、地元の飲食店や観光施設には消費が落ちにくい。熱海観光局の発表では、熱海市の2025年度の宿泊者数は入湯税ベースで319万9,457人(前年度比4.2%増)と2001年度以降で最高水準だったが、同年度に新規開業やリニューアルで350室以上の客室が増えており、宿同士の競争は激しくなっている。地域の観光地としての魅力が落ちれば、結局は目的地としての熱海の集客力に跳ね返る。
第五に、情報の偏りにも注意したい。今回参考にした体験記事はホテル側の試泊招待によるもので、開業から2カ月足らずの時点での印象でもある。混雑する繁忙期の運用や、リピーターが生まれるかどうかは、まだ検証されていない。
まとめ
ホテルニューアカオのキッズフロアは、団体旅行の時代に作られた大宴会場を、家族の滞在時間を館内で埋める場所へと作り替えた事例である。約260㎡を客室にすれば数室分の売上にとどまるが、遊び場にすれば既存の客室すべてに「子連れで選ばれる理由」が加わる。利用時間をチェックイン後とチェックアウト前に合わせ、子連れ客を1フロアにまとめ、昭和の内装を3世代それぞれに刺さる資産として残した判断は、どれも運営上の合理性を持っている。
体験記事に描かれた、のんびりするはずが忙しくなったことや、人見知りの子が自分からスタッフに話しかけたという出来事は、偶然の感想ではなく、空間と仕組みで滞在体験を設計した結果として読むことができる。一方で、客層の衝突や平日需要、地域への波及といった課題は残る。遊休空間を抱える宿は、まず自館のどこに「使われていない床」と「持て余された時間」があるかを洗い出すところから始めたい。
よくある質問(FAQ)
Q1. ホテルニューアカオのキッズフロアはいつオープンしましたか?
2026年7月17日に、オーシャン・ウイング12階で供用が始まった。全天候型のキッズパークと、4タイプ22室のキッズルームで構成されている。
Q2. キッズパークはどんな施設ですか?
かつての大宴会場「錦松・羽衣の間」を改装した約260㎡の室内プレイエリアで、立体遊具、デジタルコンテンツ、昭和、ウレタン遊具、ごっこ遊び、絵本、ベビーの7エリアがある。対象は小学生以下で、利用時間は14時〜20時と9時〜12時。プレスリリースでは利用料は1人500円(税込、翌日12時まで何度でも利用可)と発表されている。
Q3. ホテルニューアカオは一度閉館したのですか?
1973年に開業し、2021年11月に閉館した。その後アイコニア・ホスピタリティが運営を引き継ぎ、2022年12月にホライゾン・ウイングを先行開業、2023年7月にオーシャン・ウイングをグランドオープンしている。
Q4. 現在どのような改装が進んでいますか?
2026年4月からオーシャン・ウイング全250室の改装が順次進んでおり、和室110室を洋室中心に改めるほか、レストランの改装や、1973〜2018年に使われていた大浴場の復活(2027年春予定)などが計画されている。改装期間中も営業は続けている。
Q5. 宴会場を客室にせずキッズパークにする利点は何ですか?
客室化には給排水などの重い工事が必要で、増える売上は数室分にとどまる。遊び場にすると工事は内装と遊具が中心になり、既存客室すべてに「子連れで泊まる理由」が加わるため、館全体の集客力を底上げしやすい。
Q6. 小規模な旅館でも応用できる点はありますか?
遊休空間の棚卸し、チェックイン後・チェックアウト前の過ごし方の設計、客側からスタッフに声をかけるきっかけを作る企画などは、大きな投資をせずに始められる。まずは客が館内で時間を持て余している場面を観察するのが近道だ。
Q7. 子連れ客に特化するリスクは何ですか?
静かな滞在を求める客層との衝突、土日祝日や長期休暇への需要集中、遊具の安全管理や客室の汚損対策の負担などがある。客室フロアの分離や曜日ごとの販売方法の切り替えといった運用の工夫が欠かせない。
※注1:ゾーニングは、利用目的や客層ごとに空間を区切って配置すること。ホテルでは、子連れ客・ビジネス客・静かな滞在を求める客などのフロアを分け、互いの過ごし方が干渉しないようにする手法を指す。
※注2:ゲーミフィケーションは、ポイントやカード収集、達成目標といったゲームの要素を、ゲーム以外の場面に取り入れて行動を促す手法。


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