【2027年】星野リゾートの新規開業一覧:星のや飛鳥・リゾナーレ福井・界 嬉野

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結論

星野リゾートは2026年10月21日のオンライン発表会「星野リゾート LIVE 2026秋」で、2027年の新規開業の予定を発表しました。2027年に開業するのは4施設です。

開業日施設(所在地)規模・予約・料金
1月12日BunkLodge NEKOMA(福島県・磐梯、星野リゾート ネコマ マウンテン内)グループ客向けに比較的手頃な料金で泊まれる宿
7月22日星のや飛鳥(奈良県明日香村)35室。予約受付は2026年9月25日に開始済み。1泊1室193,000円〜(税・サービス料込、食事別)
9月10日リゾナーレ福井(福井県勝山市「かつやま恐竜の森」内)100室。予約受付は2027年4月開始予定
夏界 嬉野(佐賀県嬉野市)28室、全室露天風呂付き。予約受付は2027年春の予定

宿を営む側から見ると、この4施設には次の3つの読みどころがあります。

  • 星のや飛鳥は「10年がかり」:村全域が開発を厳しく制限される明日香村で、2016年から村と協定を重ね、職員の人材交流まで行ってから開業する
  • リゾナーレ福井は「公園の中のホテル」:市が管理する公園に民間がホテルを建てる「Park-PFI」の仕組みを使い、星野リゾートは公園全体の運営管理にも関わる
  • 同じ週に閉館も続いている:界 阿蘇は10月27日、リゾナーレ大阪は11月23日に閉館する。出店と撤退を並行して進めるのが、建物を持たない運営会社のやり方だ

はじめに

星野リゾートは2026年に、全国で8施設の新規開業・リニューアルを済ませました。重要文化財の旧奈良監獄を使った「星のや奈良監獄」(6月25日開業)はその代表です(営業中のホテルが文化財になると何が変わるかは奈良ホテル本館が重要文化財にで扱いました)。

2027年の4施設は、奈良の山あいの村、恐竜博物館の隣の公園、佐賀の温泉地、福島のスキー場と、立地も規模もばらばらです。本記事では、星野リゾートの発表資料をもとに各施設の基本情報をまとめ、どういう方式で出店しているのか、周辺の宿にとって何が変わるのかを整理します。2027年に都市部で開業するホテルは【2027年】新規開業ホテル一覧にまとめています。

編集部員
編集部員
閉館のニュースが続いたと思ったら、もう次の開業ですか。
編集長
編集長
閉館の理由は、建物の持ち主の都合だったよね。開業のほうも、誰が建てて、どういう枠組みで運営を任されるのかを見ると、星野リゾートのやり方がよく分かるんだ。

2027年に開業する4施設

星のや飛鳥(奈良県明日香村・2027年7月22日)

「星のや」の10施設目で、奈良県では星のや奈良監獄に続く2施設目です。コンセプトは「気に満ちた丘の辺」。明日香村の西部の谷あいに、瓦屋根の低層の建物を分棟で配置し、敷地の中心に棚田を思わせる「段々の庭」を設けます。客室には古墳文化に着想を得た「石室風呂」を備えます。

  • 所在地:奈良県高市郡明日香村大字真弓900番(近鉄吉野線「飛鳥駅」から車で約4分)
  • 客室:35室(チェックイン15時、チェックアウト12時)
  • 施設:ダイニング、大浴場、スパなど
  • 料金:1泊193,000円〜(1室あたり、税・サービス料込、食事別)
  • 予約受付:2026年9月25日に開始済み

明日香村は2026年7月26日、村内15か所の構成資産が「飛鳥・藤原の宮都」として世界文化遺産に登録されました。開業はその1年後になります。

リゾナーレ福井(福井県勝山市・2027年9月10日)

福井県への初進出です。福井県立恐竜博物館に隣接する「かつやま恐竜の森(勝山市長尾山総合公園)」の中に建ち、コンセプトは「恐竜の森のデザイナーズホテル」。外観は、周りに群生するアカマツの松ぼっくりを思わせる円柱形で、最上階に勝山の山々と九頭竜川を見渡す「パノラマ・ウェルネスフロア」とパノラマプールを設けます。

  • 所在地:福井県勝山市村岡町寺尾51-11(かつやま恐竜の森の園内、福井県立恐竜博物館の隣)
  • 客室:100室(地上8階・地下1階、延床面積12,684.28㎡)
  • デザイン監修:クライン ダイサム アーキテクツ(リゾナーレ那須の「POKO POKO」、リゾナーレ下関なども担当)
  • 施工:熊谷組・大北久保建設・ダイド建設・大野建設工業の共同企業体(2025年3月31日に起工)
  • 予約受付:2027年4月開始予定

界 嬉野(佐賀県嬉野市・2027年夏)

佐賀県への初進出で、温泉旅館ブランド「界」の新施設です。テーマは「美肌スパウェルネス」。「日本三大美肌の湯」に数えられる嬉野温泉のなめらかな湯を生かすため、宿の中心にスパトリートメント施設「美肌小舎(びはだごや)」を置きます。

  • 所在地:佐賀県嬉野市嬉野町大字岩屋川内字甲字桜ノ元甲103番4
  • 客室:28室。全室が専用の坪庭と露天風呂付きのメゾネットタイプ「里山便り坪庭の間」(1階の天井高は約5m)
  • 規模:敷地8,700.47㎡、延床面積3,492.33㎡。フロント、ショップ、食事処棟、美肌小舎
  • 設えの特徴:名産の嬉野茶の茶葉を漉き込んだ建具、有明海をイメージしたアート
  • 予約受付:2027年春の予定

BunkLodge NEKOMA(福島県・磐梯・2027年1月12日)

スキーリゾート「星野リゾート ネコマ マウンテン」の中に開業します。報道によると、グループ客に比較的手頃な料金での滞在を提供する施設です。客室数や料金は、発表会の時点では示されていません。

出店の裏にある3つの方式

1. 開発が厳しい土地に、10年かけて入る(星のや飛鳥)

明日香村は、通称「明日香法」(明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法)によって、日本で唯一、行政区域の全域が歴史的風土特別保存地区に指定されています。村全域に厳しい建築・開発の規制がかかり、大きなホテルを建てられる土地ではありません。

星野リゾートと明日香村は、次のように段階を踏んで関係をつくってきました。

  • 2016年:「企業立地に関するパートナーシップ協定」
  • 2019年:「地域活性化包括連携協定」
  • 2026年:「持続可能な地域社会形成に向けた包括的連携協定」

協定に加えて、村と星野リゾートの職員の人材交流も行ってきたと発表資料は書いています。35室・低層・分棟という計画は、規制の中で景観になじませる答えです。規制の強い土地での開業は、建物の設計より先に、地域との関係づくりに時間がかかることがよく分かる例です(国立公園で宿泊施設を建て替える難しさはパレスホテル箱根が2029年に復活で扱いました)。

2. 公園の中にホテルを建てる「Park-PFI」(リゾナーレ福井)

リゾナーレ福井は、勝山市が管理する公園で、民間の力を使って観光振興を図るPark-PFI(公募設置管理制度)の事業です。2021年の公募型プロポーザルで、星野リゾートを含む企業グループが事業者に選ばれました。星野リゾートはホテルの運営だけでなく、公園全体の運営管理にも関わります。また、2022年に福井県と結んだ「リゾートホテル整備運営に関する協定」の第一号案件でもあります。

Park-PFIは、2017年の都市公園法の改正で設けられた仕組みです。ホテルの立地として見ると、ふつうの公園施設の許可との違いは次のとおりです。

項目通常の設置許可Park-PFI(公募設置等計画の認定)
期間10年以内(更新も10年以内。第5条第3項)認定の有効期間は20年以内(第5条の2第5項)
選び方個別に申請して許可公園管理者が指針を示して公募し、計画を評価して選ぶ(第5条の2〜5条の5)
負担—周辺の園路や広場など「特定公園施設」の整備を事業者が担う(第5条の2第2項第5号)

事業者にとっては、20年という長い期間で投資を回収する計画が立てやすくなる一方、公園の整備や管理も一緒に引き受けることになります。建物の側は、施工した熊谷組のグループ会社「KGディノ・リゾート」が事業者として起工式を開いており(熊谷組の発表)、ここでも建物を持つ会社と運営する会社が分かれています。

3. 温泉地に、全室露天風呂付きの28室(界 嬉野)

界 嬉野は28室で、すべてが露天風呂付きのメゾネットです。同じ「界」でも、10月27日に閉館した界 阿蘇は12室で、建物を持っていたリートは2025年の売却時に「『界』ブランド物件の中でも小規模の物件であることから、競争力の維持にあたっては資本的支出の効率性が課題」と説明していました(経緯はリゾナーレ大阪・界 阿蘇はなぜ閉館?)。

露天風呂付きの客室は単価を上げやすい反面、配管や設備の更新費がかさみます。客室数が少なすぎると、その費用を回収しきれません。新しく建てる界 嬉野が28室で計画されていることは、旅館の適正な規模を考える一つの目安になります。

公共の資産と組む開業が続いている

3つの方式に共通するのは、自治体や国が持つ資産・制度と組んで開業している点です。2026年に開業した星のや奈良監獄も同じ型で、国の重要文化財である旧奈良監獄を、法務省が公共施設等運営権(コンセッション)の仕組みで民間に任せた事業です。運営権を持つ旧奈良監獄保存活用株式会社が2017年12月に国と実施契約を結び、2019年3月にホテルの運営を担う協力事業者として星野リゾートを選びました。当初は2021年の開業を見込んでいましたが、実際の開業は2026年6月25日で、5年遅れています。

施設組んだ相手と仕組み
星のや奈良監獄国(法務省)。重要文化財を公共施設等運営権(コンセッション)で保存・活用
リゾナーレ福井勝山市・福井県。市の公園にPark-PFIで建て、公園全体の運営管理にも関わる
星のや飛鳥明日香村。2016年から3度の協定と職員の人材交流を重ねる

公共の資産や制度と組むと、ほかの事業者が入れない立地を得られる一方、手続きと合意づくりに年単位の時間がかかり、開業時期が読みにくくなります。星のや奈良監獄の遅れはその例です。地方で宿を開業・改装する事業者にとっても、自治体の公募や協定は立地を得る有力な手段ですが、計画の段階から「時間がかかる前提」で資金と人の手当てを考えておく必要があります。

編集部員
編集部員
近くに星野リゾートができると、地元の旅館はお客さんを取られてしまいませんか?
編集長
編集長
取り合いになるのは、お客さんより先に働く人のほうかもしれないね。お客さんのほうは、温泉地の名前が全国に出ることで増える面もある。どちらに転ぶかは、周りの宿が開業までの1年をどう使うか次第だよ。

予約の受付開始から開業までの期間

4施設は、予約を受け付け始める時期も違います。開業日から逆算すると、販売の考え方の違いが見えてきます。

施設予約受付の開始と、開業までの期間
星のや飛鳥2026年9月25日に開始。開業(2027年7月22日)の約10か月前
リゾナーレ福井2027年4月に開始予定。開業(9月10日)の約5か月前
界 嬉野2027年春に開始予定。開業は夏で、数か月前

35室で1泊1室193,000円〜の星のや飛鳥は、客室が少なく単価が高いので、記念日や海外からの旅行など先々の予定に合わせて早く押さえたい客を相手にします。開業の約10か月前から売り始めるのは、その客層に合わせた動きです。一方、100室のリゾナーレ福井は家族客が中心で、夏休みや連休の計画が固まる時期に合わせて売り出す、と読めます。

自館で新しい客室や別館を開業するときも、誰が、どのくらい前に予定を決めるのかから受付開始の時期を決めると、開業直後の稼働を読みやすくなります。早く売り出しすぎると、工事の遅れで開業日がずれたときに予約の移し替えや取り消しの対応が重くなる点にも注意が必要です。

周辺の宿・ホテルにとっての意味

  • エリアの価格の上限が上がる:星のや飛鳥は1泊1室193,000円〜(食事別)です。エリアに高価格帯の宿が加わると、旅行サイトの比較画面での自館の見え方も変わります。自館の価格帯と客層を、開業前に見直しておく機会です
  • 人材の採り合いが先に来る:リゾナーレ福井は100室に加えて公園全体の運営管理を担い、開業前から多くの人を集めます。開業前から出る求人は、地域の働き手を引きつけます。待遇や働き方を見直すなら、開業より前に手を打つ必要があります
  • 送客とイベントで組む余地がある:大型の宿は地域の観光資源を全国に発信します。星のや飛鳥は村と、リゾナーレ福井は県・市と協定を結んでおり、地域の事業者と組む前提で動いています。周辺の宿は、体験や食事、連泊の受け皿として連携を探れます
  • 予約の受付開始は施設ごとに違う:星のや飛鳥はすでに予約を受け付けており、リゾナーレ福井は2027年4月、界 嬉野は2027年春の予定です。開業日前後の繁忙期の需要を読むときの手がかりになります

2026年の開業と、2028年以降の予定

2026年は、OMO5横浜馬車道(1月)、界 草津(6月7日)、星のや奈良監獄(6月25日)などが開業し、新規開業・リニューアルは全国で8施設でした。温泉旅館ブランド「界」は2026年に草津・宮島・蔵王で開業し、2030年に30施設を目指すと報じられています。2027年の界 嬉野もその流れの中にあります。2028年以降の開業予定地として、米国ニューヨーク州や神奈川県の強羅がすでに発表されています。北海道弟子屈町の川湯温泉で計画している「界 テシカガ」は、2025年に町との協議がこじれて開業時期が未定になったと報じられています。

一方で、星野リゾートは2026年10月に界 阿蘇、11月にリゾナーレ大阪を閉館します。どちらも建物の所有者側の判断による閉館で、出店と撤退が同時に進んでいます。

まとめ

  • 星野リゾートが2027年に開業するのは、BunkLodge NEKOMA(1月12日)、星のや飛鳥(7月22日)、リゾナーレ福井(9月10日)、界 嬉野(夏)の4施設
  • 星のや飛鳥は35室・1泊1室193,000円〜で、予約はすでに始まっている。村全域が歴史的風土特別保存地区の明日香村で、10年かけて準備した
  • リゾナーレ福井は100室。Park-PFIで公園の中に建て、星野リゾートは公園全体の運営管理も担う
  • 界 嬉野は28室の全室露天風呂付き。12室の界 阿蘇が「小規模」を理由に売却されたのと対照的
  • 周辺の宿にとっては、価格の上限、人材、連携の3点で開業前の準備が要る

よくある質問(FAQ)

Q1. 星野リゾートの2027年の新規開業はいくつですか?

4施設です。BunkLodge NEKOMA(2027年1月12日、福島県・磐梯)、星のや飛鳥(7月22日、奈良県明日香村)、リゾナーレ福井(9月10日、福井県勝山市)、界 嬉野(夏、佐賀県嬉野市)です。

Q2. 星のや飛鳥の料金と予約開始日は?

1泊193,000円〜(1室あたり、税・サービス料込、食事別)です。予約の受付は2026年9月25日に始まっています。

Q3. リゾナーレ福井の予約はいつからですか?

2027年4月に受付を始める予定です。客室数は100室です。

Q4. 界 嬉野はいつ開業しますか?

2027年夏の予定で、予約の受付は2027年春の予定です。全28室で、すべて露天風呂付きです。

Q5. 星のや飛鳥・リゾナーレ福井・界 嬉野の場所はどこですか?

星のや飛鳥は奈良県高市郡明日香村大字真弓900番で、近鉄吉野線「飛鳥駅」から車で約4分です。リゾナーレ福井は福井県勝山市の「かつやま恐竜の森(勝山市長尾山総合公園)」の中で、福井県立恐竜博物館の隣にあります。界 嬉野は佐賀県嬉野市嬉野町の嬉野温泉です。

Q6. Park-PFIとは何ですか?

都市公園に、民間事業者が飲食店や宿泊施設などを設けて運営し、その収益で公園の整備も担う仕組みです。公募で事業者を選び、計画の認定の有効期間は最長20年です(都市公園法第5条の2)。

Q7. 星野リゾートは閉館も続いていますが、出店を減らしているのですか?

2026年に8施設、2027年に4施設を開業する予定で、出店は続いています。2026年の閉館(界 阿蘇、リゾナーレ大阪)は、いずれも建物の所有者側の判断によるものです。

出典:星野リゾート「星野リゾート LIVE 2026秋 開催報告」(2026年10月23日)、同「星のや飛鳥」「リゾナーレ福井」開業発表(2026年10月21日)、同「界 嬉野」開業発表(2026年9月30日)、FASHIONSNAP(2026年10月21日)、熊谷組「リゾナーレ福井の起工式を執り行いました」(2025年3月31日)、都市公園法(e-Gov法令検索)、法務省・旧奈良監獄保存活用株式会社の公表資料、星野リゾート・リート投資法人の開示資料(2025年4月18日)

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